心理学とは
2018/10/17
2018/10/17
雑誌やテレビなど、心理学という言葉を目にしたことがある人はたくさんいるかと思いますが、実際心理学ってどうゆう学問なの?と疑問を抱いている方も多いはず。心理学とは人の心の動きを科学的な手法で研究する学問のこと。人格心理学や教育心理学など、幅広いジャンルの心理学がありますが、心理学の全体像とは一体どのようなものなのでしょうか。ここではその全体像について、ざっくりご紹介します。
心理学は大きく分けて基礎心理学と応用心理学の2つに分類されます。基礎心理学は感覚・知覚・記憶など、心理学的実験によって私たちの心の動きについての研究を解明したもの。応用心理学は、さまざまな知見から得た心理学的な研究成果を実用的な分野に応用し、現実社会の中で役立てていくことを目的にしています。
心理学の代表的なものとして、5つの例があります。
生理心理学とは、生理学と心理学に渡る心理学のこと。悲しいときや喜んでいるときなど、ある心理状態のとき脳のどの部位が作用しているか、研究する心理学です。
発達心理学とは人の一生に伴う発達的変化を研究する心理学。「あの人の性格はどうしてああなのだろう」「私に起きているトラブルをどうしたら解決できるか」などの疑問に対し、答えを見つけることができる学問です。人のあらゆる行動がどのように起こるかを研究する心理学なので、心の問題を客観的に見ることができ、人そのものを理解できるようになります。友人や職場の人などはもちろん、自分自身を理解することにも非常に役立ちます。
学習という言葉を目にすると、勉強のイメージを抱く方も多いと思いますが、勉強だけではありません。知り合いや上司にはしっかり挨拶をするなどの社会的な行動、掃除や洗濯などの日常的な行動など、私たちは多くの物事を学習していますよね。つまり心理学でいう学習は、私たちがこれまでの経験を通して身につけたもの全てを指します。
「あの人はいつもイライラしているな」「あの人はいつも笑顔でほがらかだな」など、近くにいる人を観察していると、それぞれ違った性格の人ばかりかと思います。趣味嗜好が似ていても全く同じ人間はいませんよね。このように人間には一人一人別の人格がありますが、その人格を明確にしようとする学問が人格心理学です。例えばどのような食品を好みよく食べる人が、どのような性格をしているかなどの法則を解明していきます。
人間は一人で生きていくことはできません。毎日に必要な食事も、野菜や米などを作ってくれる人がいますし、それらを販売してくれる人がいるから、食事をすることができます。また仕事に関しても雇ってくれる会社の人や、自分が作り出したサービスを購入してくれる人が必要ですよね。このように人は一人ではなく、集団社会で生きています。この人間の心理に着目した心理学が社会心理学です。
応用心理学の代表的な例
応用心理学の代表的な例は6つあります。
臨床心理学はうつ病や認知症など、精神疾患によって医療の対象になる方への心理学的なサポートや、回復を目的にした心理学です。私たち人間は悩みや悲しみを抱えた時、周囲からのサポートや、自分が考え出した方法で問題を解決します。しかし、その問題が大きすぎて抱えきれなくなったとき、周りの助けやこれまでの手段では解決しきれないことがありますよね。そういった問題を解決するときに役立つのが、臨床心理学ということです。
認知心理学は人間の知覚や記憶など、人間にインプットされた情報がどのような流れで処理されているかを、深く研究する心理学です。例えば会話などの音は、空気の震えが耳から脳に伝わるメッセージに変換しています。このような脳内の情報からそれをもとに行動したり、新しい記憶として蓄積されたりします。このようにどのように学習すると、より有意義になるかなどを考え、どうやって行動するか研究する学問が認知心理学です。
人は成長するにつれて知識が広がり、物事の考え方が変わっていきますよね。乳児期から青年期まで、人間の心がどんな風に発達するかを研究する学問が教育心理学です。人間の心がどのように成長していき発達するかを研究することで、子供の学校教育をいかに効率的にするか、青少年の適応指導など教育的な視点から心理学を応用する学問となります。
犯罪心理学とは、犯罪者の特性やそのときの環境などの解明を通し、犯罪捜査や犯罪者の更生を目標にした心理学です。犯罪捜査で犯罪者を特定するために、犯人がどのような目的でそのような犯罪に至ったかなどを把握する必要があります。そのために警察関係者はもちろん、精神科など各分野の専門家の知識が必須。犯罪を通して人の心を理解し、被害者や不幸な人を減らすことを目的としています。。
「どうやったら買ってもらえるか」「部下や上司の扱いはどうようにすべきか」など、職業や労働、組織やマーケティングと、産業活動全般を対象にした学問が産業心理学です。消費者の行動や企業組織などを観察し、分析することで私たち人間の社会を健やかに動かしていく研究分野です。
災害心理学は、地震や台風などの自然災害や、飛行機事故や鉄道事故などの人為災害と、災害と人間の心理の関係性を処理する学問です。自然災害など非常事態になっているニュースをテレビで見ても「自分は大丈夫だ」「そこまでひどくないはず」と思い、避難しない人がほとんどとされています。このような心理状況は日々蓄積されるストレスや、負担をかけないために必要なのですが、逃げ遅れてしまうと命に関わる危険な事態になることも。災害心理学ではこのような心理も学びます。
今回紹介したものは心理学のごく一部。心理学と一言で呼んでも種類は多岐に渡りますが、心理学を学ぶということは、人間の奥深さを知るきっかけにもなります。ぜひこちらの記事を参考にして、自分の本当に知りたい学びたい心理学を勉強してみてください。
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